「どこでお米を買っても美味しいお米に当たらないのです!」
玄さんに初めて来店されるお客様から、よく聞く言葉です。
玄さんでは、そんなお客様にはブレンド米をおススメしています。
なぜ、「玄米屋の玄さん」は、ブレンド米にこだわるのか?
ツヤ・香り・甘み・粘り・食感のバランスを整えて1年を通して同じ食味を生み出す秘密とは?
~おススメのお米はブレンド米~
玄米屋の玄さん代表の西です。
私は、玄米屋の玄さんに初めてご来店されたお客様から「おススメのお米は、どれですか?」と聞かれたら、「私のおススメするお米はブレンド米です」とお答えしています。
ブレンド米を看板商品にするなんて珍しいことをしていると思われますが、一度食べて頂くと「なるほど!」と納得して頂けます。
私が、お米の業界に入ったのは22歳の時でした。
その頃は、お米の流通は「食糧管理法」という法律の下、政府がお米の流通を規制していました。
収穫されたお米は、政府の管理下におかれて、農家さんの収入もある程度は安定するように、販売価格10㎏ 4,000円を下回るお米が出回ることがなかったと思います。
銘柄重視の「こしひかり」主義の時代でした。
「食糧管理法」の下での一番の思い出は、1993年の冷夏です。
不作でした。この年の秋に収穫されたお米は793万トンです。当時、日本人が国内で1年間に消費するお米の量は約1,000万トンでした。
差し引き約210万トンが足りないことになります。
府が緊急輸入した外国産米が、日本人の好みに合いませんでした。 米屋が、卸問屋に国産米を注文すると、外国産米が無条件にセットで入荷しました。
店頭に並べても、国産米しか売れないので、政府の指導のもと、どの米屋も 国産米と外国産米のブレンド米を販売しました。
東京のスーパーでは、タイ米が3割入ったブレンド米を買うのに2時間行列して買い求めるということが、ニュースになっていました。残念なことに美味しくなかったので、「ブレンドされたお米は美味しくない」というイメージが定着しました。
その後「食糧管理法」が1995年に廃止されて、お米の流通が自由化されました。
~私の勉強不足によりお客様にご迷惑をかけていた~
お米の自由化後、私は他の米屋さんより、「より美味しい」「より安全」「より安価」なお米を、どうにかして販売することは出来ないかと考えていました。
しかし、いつも悩んでいたことがありました。
「○○産こしひかり」を販売しても、「味がいつもと違う」
「なんか変なもの(例えば外国産米)をまぜているのとちがうの?」というクレームが年中発生していたのです。
なぜだろう?
「○○産こしひかり新米100%」だから、美味しくないはずはないのに。と思っていました。
しかしそれは私の勉強不足だったのです。お米は一年に一回だけ収穫されます。秋に収穫されたお米が季節によって計時変化することも、同じ品種・産地でも天候により味が変化することも知らなかったのです。
それを学び、知ることで、自身の考えは大きく変わりました。
一年を通じて安定した食味のお米をつくれないか?
「より美味しく」「より安全」「より健康」で一年を通じて安定した食味のお米をつくれないか?
たどりついた答えがブレンド米でした。
たくさんのお客様に「美味しい」と喜んでもらいたい。
たくさんのお客様に「安心して買える」と喜んでもらいたい。
その答えは、ブレンド米でした。
ブレンドコーヒーやブレンドウイスキーが、品質を整えて、単一品種では出せない奥ゆきのある味わいを出す目的でブレンドするように、お米も同じようにブレンドすることによって品質を整えて、単一銘柄だけでは出すことのできない味をつくることが可能だったのです。
私は、多くの指導者・協力者・勉強仲間にめぐまれました。
毎年、出来の違うお米の品質を見極めて
特徴をつかみ、ツヤ・香り・甘み・ねばり・
食感のバランスを整えるように適切にブレンド
することによって、単一品種よりも奥ゆきのある
お米を作り出せることを知りました。
そして、季節による計時変化も、品質を見極めて
適切にブレンドすることにより、一年を通じて
安定した食味のお米をつくれることを知りました。
このようなブレンド方法を知るまでは、「○○産こしひかり」を精米機にいれて、精米するだけだったので、
味はその年の「○○産こしひかり」の出来しだいでした。
ブレンド米の深みのある味わいと、安定した食味を知ってからは、試行錯誤しながら商品づくりに没頭しました。
頭では理解できても、それをかたちにするにはかなり時間を要し、 製品づくりがものすごく手間暇のかかる事になりました。
原料玄米が入荷するたびに、すべての玄米袋を開け、触り・見て・香りを確かめる・試食する・見極める・ブレンドする・試食する。
時間はかかりましたが、心から美味しいと思えるものが作れるようになったのです。
~ブレンド米のイメージを変えるために~
ブレンド米というと、「悪質」「不味い」というイメージが、まだ残っているのが現状です。
しかしながら、真のブレンド米は単一品種よりも深みのある味わいをつくりだして、一年を通じて安定した食味のお米をつくりだすことにあります。
どうしたら、お客様に理解していただけるか悩みました。
そこで、品評会に出すことにしました。
品評会に出して、入賞したらお客様にも理解していただけるのではないだろうかと考えたのです。
どうせ出品するなら、誰もが知っている品評会にしようと思い、モンドセレクション品評会に出品しようとなりました。
モンドセレクション品評会とは、「食のオリンピック」といわれている世界最大の食品品評会です。
食の専門家集団による厳しい審査により、
「最高金賞」「金賞」「銀賞」「銅賞」が決定されます。
総出品数の30%以上が落選します。
大手の食品メーカーが出品しても落選することが多いのです。
過去のモンドセレクション品評会で、お米の入賞はありました。
しかし、入賞したのは単一品種の産地銘柄米で、ブレンド米は
入賞したことがありませんでした。
それまでに、「お米マイスター」や「食味鑑定人」の資格をもった米屋さんが、ブレンド米を出品したことは多数ありましたが、入賞したことはなかったのです。
お米の業界内では、「モンドセレクションで、ブレンド米は入賞できない」というのが定説になっていました。
私は、自身のブレンド米を2010年モンドセレクション品評会に出品する決意をしました。
今まで全力で取り組んできたブレンド米が正しいのかどうかを確認するために。
1月に、審査商品をヨーロッパのモンドセレクション本部に送ります。審査結果がでるのが、2月~3月頃となっていました。
審査結果がでるまでは、ものすごく待ち遠しくて、 落選確率のほうが高いのはわかっていましたが、万が一入選したらすごいことだなと考えていました。
同じ勉強仲間にも品評会に出品したのは伝えてありましたから、落選したらかっこ悪いなと思っていました。きっと誰も入選するとは思っていなかったでしょう。
~優秀品質銀賞受賞~
縦50センチ×横30センチぐらいの、茶色の平べったい厚紙で包装された郵送物が届きました。
中に入っていたのは、優秀品質銀賞受賞の通知・表彰状・銀メダル・表彰式の案内でした。
やりました。入賞したのです。
ブレンド米では、米穀業界初の受賞でした。
~さらに美味しいお米を目指して~
お米は農作物ですので、同じ産地・品種・生産者であっても、
毎年同じ味はありえません。
しかし、米屋として「農作物だから・・・」 という言い訳はしたくありません。
玄さんのブレンド米ファンの期待に応えられるように、日々試行錯誤と試食を繰り返しています。
~安心・安全の追求~
玄さんのお米は、お客様と、そのご家族に食べて頂くものです。
安心・安全・健康でなければならないと考えています。それは、ブレンド米も銘柄米も同じです。
私は、自信をもってお客様におススメするために、必ず生産地に行って、どのような環境で稲作がおこなわれているのか確認します。
日本全国の生産地を巡って、米農家さんのお話しを聞くと、お米に対するこだわりが凄い農家さんばかりです。
私自身が、農家さんの情熱を表現できて、食べる人に喜んでもらえる商品をつくることができる米職人になれるよう頑張ってまいります。
今日も玄さんのお米で幸せな食卓が、たくさん生まれますように。
